補聴器を使うと「聞く力」が衰える?

 

最近、相談者さまから同じような質問を連続して頂いたのでここでもお答えします。

 

タイトルにあるような質問はたまに頂きます。

補聴器を使ったら難聴がかえって進行するのではないかというもの。

 

今回はちょっと違って、次のような話を知人から聞いた、というものでした。

 

「補聴器を使うと楽に聞き取れるようになるから、聞こうとする力、聞き取ろうとする努力をしなくなって難聴が進行する」

「だから多少聞きづらくても、頑張って聞く努力をしていたほうが良い」

といった内容です。

 

結論から言いますと、大きな間違いです。


何らかの疾病だったり先天的な難聴だったりした場合に、幼少期~学童期の言語獲得期に口話の聞き取りをトレーニングすることはあるかも知れません。

 

しかし中途失聴だったり、加齢による難聴の場合、聞きづらいものを頑張って神経すり減らして聞こうとしても疲弊するばかりです。

感音性難聴の場合、内耳の有毛細胞と呼ばれる「音を判別する細胞」が損傷したり欠落したりして再生できなくなっています。

この細胞はトレーニングで再生するような類いのものではありません。

 

聞こえづらくなる → 会話に労力を要する(集中して疲れてしまう) → 会話が面倒になる → 人付き合いを避けてしまう 

このような悪循環にならないために、聞こえづらさを感じたなら積極的に補聴器で補ってストレス軽減を図った方が、人生は何倍も豊かになるのではないでしょうか?